東日本大震災の教訓

東日本大震災の悲劇は、いまだ続いており、国の復興対策もなかなか進まないと言われております。

3.11がもたらした「喪失」は、人間だけでなく、多くの愛するペットにもおとずれました。

3.11の被災頭数(被災地における生存した犬猫、死亡した犬猫、行方不明の犬猫を含む)は、犬約6500頭、猫約6400頭、合計約1万2900頭。また救出された犬、ネコでもいまだに飼い主の元に戻れない子も多く、各ボランティア団体が少しでも里親に引き取られるように保護しています。

しかしペットは人間よりも救出優先順位が低く(当たり前かもしれませんが)、助かるものも助からず まるで野良犬のように放置されたり、保護されたゲージの中で精神的に異常になる犬猫も多く報告されています。

災害があったときに、「普段からの飼いかた、しつけの仕方をしていれば・・」「こんな配慮を普段からしていれば・・・」「レスキューがなかなか来てくれないときでもこんなものが普段より備蓄できていれば」という内容をここにまとめておきます。

災害がいつ起こるかわかりません。 たとえ、何かあったときでも普段より準備して知識を持っておけば、パニックにならずに 落ち着いて行動ができるものです。

日頃から備え(行動偏)

災害は、いつ突然やってくるか分かりません。10年後かも知れないし、今この瞬間にも起こるかも・・・いつ起こるか分からない災害から大切な人や愛玩動物の命を守るのは、日頃の備えです。日常に上手く取り入れ、すぐに取り掛かれるようにしましょう。

お散歩コースに避難経路を取り入れましょう!

これは今すぐに出来る備えの一つでしょう。自宅の指定されている避難所又は避難場所への経路確認しましょう。
通行止めになる道が出てくる事も念頭に、いくつかの道順を確認すると良いでしょう。
家からだけでなく、よく出かける場所の最寄の避難経路も確認しておきます。
避難経路が分かったら、お散歩のコースにする事で、いざという時の気がかりが一つ減ります。

家ではクレートトレーニングを行いましょう!

クレート(ケージ)に静かに入っていられるか、これは愛玩動物にとって生死の別れ道になり得るものです。実際に、阪神大震災ではクレートトレーニングが出来ていなかった事で、亡くなってしまったワンちゃん猫ちゃんが多くいたそうです。(東日本大震災でも、津波の被害という特殊な一面が有りましたが、同じ事が言えます。)
これは、自宅待機が難しくなった場合愛玩動物との同行避難を受け入れられたとしても、クレートでの隔離が必須となるからです。クレートに入れない愛玩動物は、同行避難が許されたとしても避難所に入ることは許されません。
また、異常な状況下で慣れないクレートに長時間入れられることでストレスとなり、命にも関わってきます。普段からクレートで寝かせる又は、危険を察した時に自らクレートに逃げられるようにしておくと、事故の防止にもなり、飼い主さんも留守中に災害が起きてもある程度安心できるという利点も有ります。移動する場合はわんちゃんねこちゃんにとって家ごとの移動となる為ストレスが軽減されます。

※クレートトレーニングの注意ポイント

普段、クレートの上や近くに落ちる位置に物を置かないようにしましょう。軽くても物がクレートに落ちる事があると、クレートも危険な場所と認識してしまします。
パニックになって逃げ出す事も想定されます。呼んだらいつでもすぐに来るようにしておきましょう!

さて、何とか最大の生命の危機は脱しました。しかし明日元の生活に戻れるか、数週間後になるのか分からない、不安な日々がやってきたとします。
飼い主さんが不安でいっぱいになればなるほど、愛玩動物も不安でいっぱいになります。
愛玩動物が落ち着きを取り戻す方法を普段から構築しておく事で、災害時に不安を取り除いてあげる事が出来ます。
一見関係の内容に思われるかもしれませんが、お座り・伏せ等を普段から教えておきましょう。怖い思いをしていると思われる時はこういった普段と変わらない行動をさせる事で落ち着かせる事ができます。
好きな遊び、玩具、タオル等を作っておき、災害時であってもいつもどおり遊んであげましょう。
タオルはいつもの嗅ぎなれた匂いで落ち着きます。

災害時にはストレスで体力が落ちる為、怪我や病気にかかりやすくなると思ってください。
怪我をしてもいつもの獣医さんが開業しているかは運次第です。運に任せず、日頃体を鍛えたり、様々なものに慣れさせる事で被害を最小限に抑える事が出来ます。

・靴下や服に慣れさせておくと、瓦礫やガラスから身を守ることに役立ちます。また、怪我をした時に包帯等を抑えたり取らせないようにするのに役立ちます。
・エアコンが無い事を想定して、暑さ寒さに体を慣れさせておきましょう。
・硬いものを踏ませるなどして肉球を鍛え、物が刺さりにくくしておきましょう。
・知らない人に触られる事に慣れさせておきましょう。
・猫ちゃんは、扉が開いた瞬間飛び出す可能性があるため、ドアには網戸又は、柵を付けておきましょう。
・わんちゃんは知らない動物に吠えないようにしておきましょう。

日頃の備え(体調管理偏)

災害時、獣医さんが直ぐに見つかるかは分かりません。災害時に獣医さんにかからないで済むよう体調管理をする事も、災害を乗り越えるポイントとなります。

避難時、爪が伸びていると飼い主さんを傷つける可能性もありますし、人も落ち着かない中、愛玩動物の爪を切るまで気が回らない可能性もあります。普段から爪はこまめに切っておけば最低限球を要する事は避けられるでしょう。また、切らなければいけなくなった場合、飼い主さんが行う事が前提となると思われます。どうしても切るのがどうしても苦手という飼い主さんは、爪やすりを普段から使って日頃手入れしてあげると良いでしょう。

異常な状況下に体が耐えられるよう、定期的に健康診断を受け、体に特に問題がないかチェックしておきましょう。悪いところわかっていれば、余裕の無い災害時に集中して注意してあげる事が出来ます。

いつもの状態を把握しておくと、災害時にストレスがかかり体調不良を起こしていないか、体に異常がないか気付いてあげる事が出来ます。

・体重
・舌の色と温度
・毛の艶
・排泄物の状態等

災害時ガラス等尖った物が散乱している事が考えられる為、足の裏を普段から触らせるようにしておき何か刺さっていないか注意する癖を普段からつけておきましょう。 刺さった異物を放っておくと、脚に穴があく場合があります。 異状に一早く気付づいてあげる習慣を付けておく事で、大事に至らないように予防します。

普段であれば命に関わる事は少ないノミや寄生虫も、災害時は持病や体調を悪化させる要因となり生死に関わってきます。避難している人達の迷惑ともなりますので、定期的に病院で検査しておきましょう。

災害時とは限らず、名札とマイクロチップを付けておきましょう。 マイクロチップだけでは機械又は獣医さんが読み取れない場合もありますし、見知った人が保護した場合直ぐに確認する事が出来ます。 また、名札だけでは取れてしまう場合も考えられますので、マイクロチップも入れておきましょう。

日頃の備え(備蓄品偏)

愛玩動物も人と同じで生活をする上で欠かせないものがあります。 人の災害用備蓄品と一緒に用意をしておきましょう!

・持病がある場合は1週間程度の薬、療法食
・飼育記録
・飼育手帳(預かってもらうことになった場合、間違えが少くスムーズに引渡しが行えます。)
・ノミ除けの首輪、寄生虫駆除の薬
・夏を想定し、フィラリア予防の薬
・普段食べている餌約1週間分
・水5日分
・餌・水の容器
・慣れているタオルや玩具
・写真数枚(迷子になってしまった時の為にビラを作るのに使用できます。)
・排泄物を拾うビニール袋5日間分程
・ケア用品(水のいらないシャンプー、ブラシ又はクシ、耳掃除用品、爪やすり)
・救急道具(傷口を洗う精製水・包帯・テープ・靴下・服・ハサミ・滅菌ガーゼ・ 清潔なタオル・ピンセット・口輪)
・トイレシートにしか排泄しないわんちゃんはトイレシート、猫ちゃんは慣れているトイレセット
・猫ちゃんが暴れた時の為に、飼い主さんの身を守る為の洗濯ネット
・予備用のリードと首輪。
・軍手(飼い主さんの手を怪我から守り、ある程度衛生的に保つのにも役立つ)
・冷却シート
・カイロ(暑さ寒さをしのぐ為。ただし直接当たらないように注意が必要)